It's a lemon!
アメリカにいた当時の話。世の中で一番信用できない人間は中古車のセールスマンだという話をよく聞いた。本当のことを隠し嘘ばかりついてポンコツ中古車(あの酸っぱい「レモン」に例えられる)を無知な客に高値で売りつけるからだ、と聞いた。僕はアメリカで中古車を買ったことはない、てか、そもそも人生で中古車を買ったことがないので真偽のほどはわからないが、アメリカではとにかくそういうイメージだ。安く仕入れて高く売るのは商売の原理でもあるからある意味中古車ビジネスは資本主義の原理原則に忠実なのかもしれない。ともあれ古今東西、中古車に関わるビジネスに対するイメージはよくないが、今回のビッグモーターの件は結構筋金入りのスジワル、いや、文字通り犯罪だ。入庫した事故車の修理に関して工場の人間が人為的にキズをつけたり、交換部品の新品と偽り中古品を装着したり、と、もうやっていることが無茶苦茶。噂によれば大手損保会社がこの実態を知りながら不正請求に結託・加担していたというからさらに驚く。結構な大スキャンダルの予感。これだけコンプライアンスが叫ばれながらこんなことがまかり通っているなんて信じられない。こんな経営風土、組織風土をつくった元凶であろう現経営陣はもちろん即刻全員退陣すべきだし、民事刑事問わずこれから起される全ての法的訴追に晒されるべきだ。しかしこういうときは決まって悪いのは上で下は仕方なく従わされただけ、いわば被害者だ、的なステレオタイプな報道になるに決まっているが、一番ダメなのは現場でしょと思う。全く個として自立していない、善悪を自分で判断しない、長いものには巻かれる。だからこんなこと平気でやっちゃう。良くも悪しくも上意下達が全ての自分の判断は忌避、的な人間をもう何十年、何百年も再生産している日本。ったく情けない。この会社は上も下も外も中も全部が「レモン」だ。潰れてしまえ、こんな会社。