金利 is back

昨日の東京債券市場では、長期金利の代表的な指標である10年物国債の利回りが一時0.605%まで上昇、金利としては2014年6月以来の高い水準らしい。先日の日銀総裁の金利操作の運用柔軟化の方針発表を受けての動き。これを受けて住宅ローンの金利も引き上げられつつある。日銀は10年前からの大規模金融緩和政策を引っ込めたわけではないので、すぐに企業の資金調達コストが上がるわけではないが、なんとなく「金利ある世界」への回帰を実感する。30年前に僕が最初に自宅マンションを買ったときの住宅ローンの金利は確か4%台だった。いま考えるととてつもなく高い。借りるほうの金利は高かったが預けるほうも高かった。郵貯の定期は30年前は実に6%もあった。当時は退職金を郵貯に預けておけば、老後は金利だけである程度生活できると信じられていた。いまとなっては信じられないが。しかし、その後のバブル崩壊、からの失われた30年。金利は永久凍土のように地面に這いつくばって推移してきた。2000年代になると新興国から安いいいものがどんどん入ってきて日本経済は低価格を競う時代になった。大企業も中小企業もモノやサービスの値段を上げられない時代が続いた。それがいま突如として超久々のインフレ時代の入り口に立っている。この春の春闘では賃金が3%程度上がった。電気代もガソリン代も爆上がり。円が安いせいかどんどん外資が入ってきてマンションを買い漁っている。東京都心のマンションはもうパワーカップルでも手が出ない域らしい。高級時計も飛ぶように売れている(らしい)。何千円もする土用うなぎのお店にも行列ができている。世の中は確実にインフレ化しているようだ。そのうち、銀行からの資金調達コストも当然に上がるだろう。モノやサービスや人件費や資金調達コストがあがる世界の事業計画を僕らは久しく描いたことがない。僕たちの仕事的にはフロンティアだ。勉強せねば。

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