ゆでガエル
「甲子園」が始まった。コロナ明けの制限なしのフル開催。「やっといつもの夏が戻ってくる」的なノリ。しかしいつもの夏ではない。ついに「地球沸騰の時代」と言われて毎日災害級の暑さで外出は控えるようにとニュースで連呼している最中に、昼間の炎天下で延々と試合をやる。もう虐待の世界ではないか。普段あれだけなんでも針小棒大にとりあげて批判を繰り返す朝日新聞は主催者としてこのことをどう考えているのだろう。準決勝/決勝をナイターで甲子園でやるのはいいと思う。しかし47都道府県の代表校をトーナメントで2週間もかけてこの異常な昼間の炎天下でやる正義、総理、理屈はどこにあるのだろうか。今年から「試合の途中に10分の休憩入れます」なんぞ何の問題の解決にもならない。「ゆでガエル現象」という言葉がある。カエルはいきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが常温の水に入れて徐々に水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い最後には死んでしまう、という意味。即ち、「危険が迫っているにもかかわらず変化がゆるやかなため気がつかず、気づいたときには手遅れになっている」という、変革行動がとれない人や組織のことを指す言葉だ。甲子園のことでいえば、変化はもはや緩やかではない。心ある人はみんなその危険に気がついている。それでもやり方を変えない/変えられないこの愚。たぶん実際に何人かの若者たちの「人柱」が立つまで主催者は止めないんだと思う。行動変容を拒み続ける朝日新聞に世の中を指さす資格はもはやないと思う。