夏の読書②

「栗山ノート2」WBC日本代表監督の栗山英樹さんのいわばWBC回顧録。今年読まずしていつ読むかの一冊。栗山さんはWBCについてテレビのインタビューでいろんなことを既に話しているが改めて当事者しか知らない/語れないことを監督受託から優勝までの僅か2年に起きた、しかしとても濃厚な出来事を書き連ねている。一気に読み進めた。読書家で勉強家の栗山さんは故事、先達の教えをふんだんに引用しながら、書生のように真っ直ぐ正直に誠実に自分を叱咤しながら目の前のことに向き合ってきたんだということがよくわかる。人は世の中は目に見える結果にばかり注目して評価するが、大事なのはそこに至るまでの姿勢、考え方、行動、プロセスなんだと気づかされる。歳は僕とタメの1961年生まれ。勉強や経験を重ねた人とそうでない人とではこんなに差がついちゃうもんだと少々気が滅入ったが、人と比較するのが一番いかんという言葉をいいとこ取りして、あまり自分を責めないでおこう。韓国戦で右手小指を骨折した西武の源田選手とのやりとりには思わず泣きそうになった。深い「一念」があるかないかが相手を突き動かすというまさにその例だった。翻ってチーム離脱を余儀なくされた栗林がどれだけ辛かったかもよくわかる。WBC日本代表は歴史に刻まれる、そして僕らがそこからいくらでも学べる奇跡のようなチームだったんだとよくわかった。お盆休み。明日はAmazonプライムで優勝の軌跡の動画を見てもっと余韻に浸ろう。

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