海と生きる
朝ドラ「おかえりモネ」。きょうの回は泣けた。うまく言えないが切々と胸に迫ってきた。気仙沼市には何度もお邪魔した。震災からの復興計画を気仙沼市は「海と生きる」と名付けた。市民公募によるものだった。未曾有の津波被害を海から受けたのに、それでも「海と生きる」を復興再生の副題につけたところに、この町に住む人の価値観や覚悟というものが感じられて、すごく感銘を受けた。思うに、人間の存在をはるかに超える自然というものと生きることで、恵みも受けるし災害も起きる。自己を超越したものとつきあうことで、人生の喜びと悲しみの両方を経験する。そのことが、レジリエントに生きることにつながるのでは、という気がする。僕もあの熊本地震を経験したことで、ものすごく考え方や生き方が変わった。自然は無情だ。いまも目の前で阿蘇山は小噴火しているが、そのことで何か起きても、阿蘇山がドコモやみずほ銀行のように謝罪会見してくれるわけでなし、その現実とつきあっていく他ない。自分を超越するもの、寄って立つものの大事さを、図らずも都会を離れてしみじみ思うのである。