存立危機事態

台湾有事に関する昨夜の「NHKスペシャル」は戦慄の内容だった。この20年の米中の戦力の逆転、そして現在の明らかな中国の圧倒的優位の米中戦力差。まさかここまで..という思いだった。いまの習近平独裁の中国はもう誰にも止められない。台湾有事はどの道避けられないのだろう。そして、もっと深刻だと思うのがアメリカ。3年後の次の大統領選はまた共和党が勝つ。そしてあのトランプが戻ってくる。世界にとっては真に悲劇だ。アメリカはこうして4年ごとに根幹の政策が右に左に180度スイングする国になった。トランプ政権になれば、極東有事でアメリカ人が命を失う事態は極力回避するだろう。世界発の本格的で大規模なロボット戦争、リモート戦争になるかもしれない。日本はむしろ確実に米国軍を補完する戦力としてまともに巻き込まれる。最前線の沖縄だけでなく、西部方面隊の各駐屯地も当然中国の攻撃対象になるだろう。日米安保という選択肢の当然の帰結だが、この国ではこれまで台湾有事の際何が起きるのかを正面から議論してこなかったのでコロナの比ではなく究極の大混乱になるだろう。その意味で昨夜の番組が投じた一石は大きいと思う。コロナ禍の子ども10万円給付が現金かクーポンかなんてことをやっている場合ではないのだ。習近平専権の野望は世界地図を14世紀の状態に戻すことだと聞いたことがある。これ以上ない覇権主義・膨張主義。彼らに「現状維持」の4文字はない。香港も台湾も14世紀の地図を取り戻す動きの序章でしかない。13世紀の元寇は失敗に終わったが日本本土だって侵略の対象でないという保証はない。日本列島がもし船だったらハワイあたりまで引っ越したいくらいだ。ポスト・パックス・アメリカーナ時代の国の生存戦略をまともに考えねばならない時代にきたと思う。

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