イギリス女王のご逝去

エリザベス女王が亡くなった。BBCが訃報を伝える映像がSNSで流れてきたが、既にアナウンサーは黒いスーツであり、その表情、伝え方は沈痛だった。ニュース映像からはイギリス国民が文字通り深く沈痛な想いに包まれていることがわかる。思いだすのは、そう、33年前の1989年1月7日。昭和天皇崩御の日。あの日は朝6時に昭和天皇が危篤状態になられたことがニュースで一斉に報じられ、その瞬間、国民全員が「覚悟」した。崩御の知らせはそれから間もなく、僕は会社の通勤の電車のラジオで知った。同じようにラジオを聞いている通勤客が多く、誰からともなく電車の中で「亡くなられた」というつぶやきが声になった。そこからは有名な話で、テレビは通常放送をとりやめ、アナウンサーは皆喪服になって、未体験のメディア環境になった。激動の昭和を偲ぶ…そんな番組で一色になってそれが一週間くらい続いた記憶がある。「歌舞楽曲」の類は「自粛」、テレビから音楽番組が一切消えた。異常といえば異常だったが、それでも天皇という立場の方が身罷られるというのは、それ自体が国の一大事だということがよくわかった。イギリスでは紙幣も切手も新国王の肖像に切り替わるらしい。それはそれで大変だが、王室を元首に抱える国にとっては当たり前のことなのだろう。こうやって国民が女王の死を嘆き悲しみ悼むというのは、それだけ女王の治世、王室制度の維持発展という命題が成功した証だ。王室/皇室の冠婚葬祭の度に国民が一体となれる。そのときは分断を忘れられる。その感覚は王室のない国にはにわかにわからないことかもしれない。世界で王室を維持している国は日本を含めわずか26か国しかない。大事にしたい。

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