欧州の思い出

ドイツ撃破のユーフォリア的余韻が日本国中を覆っている。サッカーの力を改めて思い知った。ニュース映像には茫然自失のドイツ人の絵。今回はカタールの人権状況に抗議してW杯中継を観ない人が欧州では多いらしいが、実際には放映権料がバカ高いのと、あと、もう外がとっても寒いからではないだろうか。いまから18年前、2004年の11月、ちょうどいまの時期だ、僕はスウェーデンのマルメという街に赴任した。単身赴任。北緯は55度。極東だと樺太の北側突端だ。そのころもう日の出は朝の9時前後だったと思う。朝8時に起きても外はまだ暗かった。そして15時台に日が沈む。18時までオフィスにいると、スウェーデン人は仕事あがりが早いせいもあって、18時までオフィスにいるとまるで深夜残業しているような錯覚を覚えた。とにかく夜が長かった。ドイツはマルメとそんな緯度は変わらない。そんな晩秋というか冬にサッカーW杯といわれてもたぶん欧州の人はものすごく調子狂うのではないか。初めて欧州に出張で行ったのは1998年。日本がW杯初出場のとき。確か7月のアタマのある日、準決勝のイタリア対フランス戦をまさにやっているとき、僕はフィレンツェにいた。太陽が燦々と照る通りには誰もいなくなっていた。観光の町なのにその時間は「ゴースト化」していた。客も給仕も厨房の人もみんな食い入るようにテレビ中継に見入っていた。ゴールが入るとすごい歓声。それが僕の欧州×サッカーのシーン初体験。なんかいろいろ思いだすわ。

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