「復活への底力」

APU出口学長のご自身の闘病復活記「復活への底力」。とにかくすごい本だった。一気に読めた。2021年1月、突如出張先の福岡で脳出血に襲われ、右見右足が麻痺、意識障害と言語障害に見舞われた出口学長。そこから東京のリハビリセンターに転院し半年の壮絶なリハビリ、そして東京のご自宅に戻ってからも懸命なリハビリを続け、なんと2022年4月には単身でAPUが立地する別府に戻り、電動車椅子ながらも学長職に完全復帰。通常生活に戻ることすら危ぶまれるほどの重篤な状況下でご本人は最初から復職をする前提でリハビリに向き合われた。「運命を受け入れ前向きに生きる」という副題がついたこの「復活への底力」という本。本当にとてつもない闘病記だった。特に言葉を失うということがいかに大変なことか克明に描かれている。脳の機能が従前の状態ではなくなっているので、言葉を投げかけられても意味がわからない。言葉を発する口や舌に命令が下せない。言葉を発することができない。想像すらできない世界だ。僕ならきっと深く絶望してしまうだろう。こうはなかなか生きられない。こうは生きられないのだが、ここにはとても大事なこと、学ぶべきことが書いてある。二度三度読み返して、その爪の垢程度でも学びたくなる本だった。

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