受難の団塊ジュニア世代
今朝の朝刊一面は「出生率1.26、経済活力に危機 昨年過去最低 少子化、7年で2割減」。7年で2割減とは2015年には出生者がまだ100万人いたということを記事では指摘していて、これがたった7年で80万人を切ってしまった。グラフをしげしげと眺めるといろんなことを思う。1970年~1975年あたりの山、いわゆる団塊ジュニアと呼ばれる層の次の山を日本は作り損ねた。知り合いの団塊ジュニア世代が僕に言ったことがある。僕らは受難の世代だと。数が多くて受験競争は激しかった。行きたい大学に行き損ねた。就職しようと思えば今度は就職氷河期だった。やっと入った会社では下の世代が入ってこなかった。いつまで下っ端で忘年会の幹事ばかりやらされた。中堅になったと思ったら今度は役職定年で肩をたたかれる。ロクなもんじゃない等々。ま、そういうのもわかる。本当に痛い目にあったから彼らの人生観、人生プランは概してリスク回避型。能天気に明るい未来を信じて子どもをどんどんつくりましょうとはならない。そんなこんなで戦後の第3の人口の山は結局生まれなかった。人口減少の流れはここである意味「勝負あった」感じ。日経新聞でも書いてあるが、2000年代前半は非正規雇用という職業形態が生まれ企業は効率化一辺倒で「人」を変動費化していった時代。人がモノ扱いされた時代だった。社会に出て「さぁこれから」と意欲に満ちてたはずの若い人の多くが躓き、方向感を失った。現下の人口減は、彼らからある意味「リベンジ」を社会全体として受けていると解釈できる。そしてそんな受難に団塊ジュニアに育てられまさにいま社会に出ようとしているのが、昨日も書いたスーパー同調/他責型の大学生たちだ。一時期雇用をないがしろにした国家の政策がかくも長きにわたってpenalize(罰を受ける)されようとは。いまさら異次元の子育て支援って言ったって本当に焼石に水。20年後手を踏んでいる。