生涯無子

きょうの日経新聞2面「生涯子供なし最大42% 現18歳女性の推計 欧米の2倍水準」の記事。ちょっと一瞬わかりにくいが、社会保障人口問題研究所が今度まとめる調査の内容。現在18歳の女性があと30年くらいたって50歳になったときに子どもを持っていない状態を「生涯無子」と呼ぶらしく(初めて聞いた)、その生涯無子率の推計が25%~42%の幅だという話。一番大きい数字だけ見出しにしたところは若干日経の編集意図を感じなくもないが、実際問題1970年生まれで現在53歳の女性の2021年時点の生涯無子率は既に27%もあるらしいから、30年後の無子率は42%どころか実際にはもっと高くなってしまっているのかもしれない。こうなる原因は、いろいろググってみると、子どもを持つ持たないの前にそもそも非婚、結婚しないという選択にあるようで、生涯独身を能動的積極的に選択する若い人が増えているかららしい。なんかもうここまで価値観、感受性、行動が僕らの世代と異なると何をどうしたらいいのか全くわからない。ただ明確に言えるのは、社会保障制度はもはや成り立たないということ。社会保障は世代を跨ぐ所得移転だから、本当にもう若い人が結婚しない、子どもをつくらないのなら、高齢者の生活費である年金を現役世代の負担で還流させるのは原理的に無理だ。年金給付を大幅に下げるのか、外国人の移民を受け入れて税収を増やすのか。もっと深刻なのは、そうやって子どもを選択的につくらない人たちの老後だ。彼らの老後を賄う仕組みはなくなる。自分たちで老後資金を貯めておくしか方法がない。それとも社会保障は2100年にも存続していると考えているのだろうか。少子化は静かな有事といわれるが、なんかもう世紀末的な状況になってきたと思ってしまう。

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